市民の力でエネルギーの未来をつくる

市民節電所

市民節電所とは

市民省エネ・節電所(略して市民節電所)は、
市民一人ひとりの省エネ・節電を、社会の力に変えていく仕組みです。

市民節電所の特徴

市民節電所とは、市民一人ひとりの省エネ・節電の取り組みを、社会全体の力に変えていく考え方です。
電気を新しくつくるのではなく、使う量を減らすことで生まれる価値(ネガワット)に着目しています。省エネや節電に関心のある人たちがゆるやかにつながり、
情報交換や仕組みを通じて、CO₂排出削減につなげていきます。
[注]ベーター・ヘニッケ、ディーター・ザイフリート、朴勝俊訳(2001)『ネガワット 発想の転換から生まれた次世代エネルギー』省エネルギーセンター。

市民節電所の理論的裏付け

市民節電所には、省エネ・節電に向けた「市民グループの自主的な取り組み」を軸に、
「協定」「情報的手段」「経済的手段」の3つで支援する、
4つのポイントがあります。

1

市民グループの自主的取り組み

市民節電所の活動は、市民の自主性を基本とし、強制はありません。
世話役を含む数名のグループで協定を結び、省エネ・節電に取り組みます。
参加後は継続しやすく、成果も上げやすい仕組みになっており、個人で既存の節電所に参加することも可能です。

2

協定

市民(グループ)と事務局はお互いの役割を明確にし協定を結び、一年単位の活動をスタートします。
この役割についても協議し変更することはできます。「まほろば」では、次の内容になっています。

  1. 市民の役割

    1. 市民は5~10名で節電所を作り、当ネットワークと協定を結ぶ。
    2. 節電所で1年間省エネ・節電に取り組む。その間、毎月今年と前年の電気・ガスの使用量を報告する。
  2. 事務局の役割

    1. 事務局を当ネットワークが担当し、省エネ・節電に役立つ情報を適宜提供する。
      情報誌「まほろば」を年3号発行、年2回情報交換の場提供やセミナー開催などで支援する。
    2. 1年間の取り組み後、節電所が1年間で削減できたCO₂削減量(電気・ガスの使用量から算出する)、CO₂ 1kgあたり2円(現在は3円にアップされている)で買い取る。

3

情報的手段

取り組みを継続し成果を上げるため、情報の共有は重要です。
セミナーや会誌などによる情報提供に加え、電気・ガス使用量を集計・分析し、各節電所へフィードバックします。
さらに情報交換会や事例集の共有などを通じ、省エネ・節電のノウハウをメンバー間で広げています。

4

経済的手段:カーボンクレジットの買取で

1年間の取り組みで削減したCO₂量は、事務局が買い取ります。
これは社会的価値を持つ「カーボンクレジット」として扱われ、排出量取引やカーボンプライシングと同様の考え方です。
金額は小さいものの、賛同者の励みとなり、フリーライドの防止や公平性の確保にもつながります。

ビジネスモデル
「市民節電所」

市民節電所の特徴

市民節電所は、市民の自主的な省エネ・節電を仕組みとして支える取り組みです。
「まほろば」の8年間の活動から、CO₂排出削減を継続的に実現できる国内初の仕組みであることが実証されました。
多額の資金に頼らず長期間続けられる点で、実践的なビジネスモデルとも言えます。
対象は気候変動対策に関心のある市民グループで、省エネ・節電とCO₂削減を継続できる仕組みを提供しています。

市民とつくる
節電の記録と歩み

市民節電所の取り組みや最新情報を紹介します。

賛同者集

「まほろば」は、市民節電所の考え方を実際の暮らしの中で実践する取り組みです。
少しずつですが、CO₂排出削減という成果も生まれています。
この取り組みに共感し、一緒に広げていく仲間を募集しています。

温暖化防止に寄与したい方

エネルギー問題解決に寄与したい方

人の為、子や孫の為にやりたい方

国内初の取り組みに参加したい方

省エネ・節電活動を長く、確実に続けたい方

しっかりした数字で成果を出したい方

グループで楽しく活動したい方

電気代・ガス代を節約したい方

省エネ・節電の情報を知りたい方

カーボンクレジットを提供したい方

募集要項

1

参加申込

  1. 賛同者の要件

    1. 市民個人ではなく、5名以上のグループ
    2. 1年間にわたり前年同月の電気・都市ガスの使用量と比較ができること
  2. 申し込み方法

    1. 賛同者は参加票(個人用)に必要事項を記入し、グループ世話役にお渡し下さい。
    2. 世話役は参加申込書に必要事項を記入し、賛同者全員(ご本人を含め)の参加票(個人)写しを添付してNW事務局に提出してください。
  3. 登録証交付

    事務局で申し込み書の内容確認後、下記の書類をお渡しいたします。

    1. 電気・ガス使用量の「月次報告書用紙(グループ用)」と「月次報告書用紙(個人用)」
    2. 電気使用量・ガス使用量「通知票貼付け用紙」、1年後に確認しますので各自保管しておいてください。
    3. 登録証の交付

2

省エネ・節電の取り組み支援(スケジュール)

  1. 協定直後

    協定後、登録証交付

  2. 協定後1月~12ヶ月

    「市民節電所『まほろば』に参加しよう」として、各種情報交換をする

    1. グループ(節電所)ミーティング開催(各グループ1回)
    2. 情報交換会(対象:賛同者全員、年2回)
    3. 夏と冬の省エネセミナー(年2回)
    4. 情報誌「市民節電所だより」発行(年3号)
  3. 協定1年後

    1年間のグループの削減量の確定とCO₂削減量買取(電気・ガスの通知票の前年と今年との使用量から算出)

  4. 終了

3

CO₂削減量に応じた買い取り額をお支払い

報告頂いたグループ(全賛同者の合計)の1年間の電気・都市ガスの使用量(今年・前年)から算出した
CO₂削減量に応じた買取額を、事務局(当ネット)からお金をお支払いいたします。

※スタート時と状況が変わった場合

  1. ・設備の大幅変更(オール電化、ガス設備など)による電気とガスの使用量はそのまま計算します。太陽光発電の発電量は考慮しません。
  2. ・家族構成人数は、帰省など例年のものはそのままとし、考慮しません。ただし、長期の留守や長期間や永続的な人数変化などは考慮します。

協定

市民節電所「まほろば」では、市民と事務局(当ネット)がそれぞれの役割を確認し、
1年単位の協定を結んで活動をスタートします。
市民は5〜10名のグループで節電所をつくり、省エネ・節電に取り組みながら
毎月の電気・ガス使用量を報告します。
事務局は情報提供や交流の場づくりなどで活動を支援し、
1年後に削減したCO₂量を1kgあたり2円で買い取る仕組みとしています。

市民(グループ)の取り組み

  1. 市民は5~10世帯でグループをつくり、当市民省エネ・節電所ネットワーク(以下事務局)と協定を結び、市民節電所「まほろば」に参加します。
  2. 協定時から1年間、各メンバーとグループ全体で電気とガスの使用量を大幅に削減できるように取り組みます。
  3. 適宜会合を持ち、メンバー間の連携を密にします。またメンバー間とNWのスタッフとのグループミーティングを最低1回開催します。
  4. グループは、活動状況や電気・ガス使用量や削減状況などを、毎月NWに報告します。
  5. NWが実施する調査や企画する各種集会に積極的に参加します。

市民節電所ネットワーク(NW) の役割

  1. NWはグループの自主的取り組みを積極的に支援します。そのため、情報提供のほか、各グループとのグループミーティングやセミナー、あるいは情報交換会やシンポジウムなどを開催します。
  2. グループが前年に比べ1年間で削減した電気とガスの使用量に対応するCO₂量を1キロあたり2円でNWは買い取ります。
  3. NWは本取り組み、市民節電所「まほろば」の運営について広く公表します。

個人情報の取扱い

  1. 個人情報を収集するに当たっては、その利用する目的を明確にします。
  2. 個人情報を取り扱う事務を遂行するためには必要な範囲で、適法かつ公正な手段により行います。
  3. 情報公開については、個人を特定できるものは除きます。

市民節電所の評価

市民節電所の高い外部評価

「まほろば」の活動は、環境分野で高い評価を受けています。
令和3年度気候変動アクション環境大臣表彰を受彰し、脱炭素チャレンジカップでは2020・2021・2023・2024年に奨励賞を受賞しました。
また、グッドライフアワード実行委員会特別賞を2015〜2017年に3年連続で受賞しています。

学会での評価 環境経済・政策学会年大会で発表

2012年東北大学大会では、村木正義・松本友宏による「市民の省エネ/CO₂排出削減への取り組みを支援するポリシーミックス」を口頭発表しました。
また2014年法政大学大会では、村木正義による「市民の省エネ/CO₂排出削減への取り組みを永続的に支援する一施策~節電所ネットワークによる~」を発表しています。

学術誌への投稿

村木正義(2015)「市民の省エネ・節電/CO₂排出削減を効果的・永続的に支援する一方策~国内初の仕組みを使った節電所ネットワークによる~」地域創造学研究XXV(奈良県立大学研究季報第5巻第 3号)1-38ページ
村木正義(2021)「市民による、省エネ・節電/CO₂排出ゼロを実現する方策~国内初「市民省エネ・節電所活動」地域創造学研究49(奈良県立大学研究季報第31巻第3号)37-60ページ

活動助成

セブン-イレブン記念財団より2019・2020・2021・2023年度の助成を受けています。
また、大阪コミュニティ財団(2017年度)、奈良県地域貢献活動サポート基金(2023年)からも助成を受けています。

市民節電所の実証的評価

市民節電所の考え方を検証するため、
「市民節電所まほろば」の取り組みを5年間実施してきました。
ここではその概要を紹介します。

まほろばの活動状況

市民節電所の特徴

2016年に開始、どこの市民でも5名集まりグループ、約90世帯が活動しています。
その間途中脱落者ゼロで多くが6年7年と続けています。
全体としては7,000世帯・月を超えました。

まほろばの活動状況

市民節電所の特徴

まほろば全体の電気およびガス使用によるCO₂排出量は第5期(2020年6月~21年5月)の増加以外削減でき、7年間の削減総計は8.4トンとなりました。
全体のCO₂実質削減量は72.7トンとなりました。

市民節電所の課題と解消

「まほろば」の活動を長く続ける中で、買取資金問題、長期の取り組みの壁、
コロナ禍の影響が問題になってきましたが、解消できることが分かりました。